2009年01月13日
観音滝 10
巨岩といっても想像しにくいためオーストラリアにあるエアーズロックのレプリカといえば理解してもらえる。荒々しい越前海岸で見かける大男が持ち上げるような岩石を重ね合わせたのではなく一つの岩のようである。星霜を重ねすっかり色あせているが御影石の大鳥居のように苔むすこともなく艶のない灰色の巌は居然とした作庭の中心にある。滝へ誘導するロープに従い注意深く足元を固め岩道をよじ登る。ついにその頂部に立ち充溢する魂魄に陶然としていた。落下口まで進み真下を覗き込むとものすごい音が聞こえ岸壁を襲う時化の潮鳴りみたいである。恐怖でおじけてしまい顔を上げ足場のよい場所に戻り川上を望見すると薄緑のビンにつめられた清酒のような清流がしょう然と迫ってくる。よう然とするそうせんの川床は数段高くなっており巌に押しとどめられ直角に向きを変え8メートル落下する構造になっている。
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