2009年01月06日

観音滝 7

 滝に着いたわけではなく清流を尻目に肩幅ほどの山道を急ぐと目前に両端を堅牢なコンクリートの基礎に架かる歩道橋が見えてきた。渡橋する喜びで莞然とするのもつかのま入り口にはられたロープには立ち入り禁止の標札が見える。橋の外観を睥睨すれば木製の手すりは朽ち果てて所々垂れ下がっており無謀な行動を起こせば橋と共に落下しそうで足がすくむ。唖然とするこの不運に落胆したものの気を取り直し別の進路を探すことにしてともかくも川縁を上流に向かって歩いた。僥倖にも新しい橋が見えるではないか。登山をしていればいろいろな障害により引き返すことが常に選択肢としてあることの概念が備わっているので、このときは立ち止まり新橋をしげしげと見渡し微笑まずにはおれなかった。渡り始めると左右から玲瓏のようなせせらぎが聞こえ一気に渡り終えようとした気持ちに反し好音に誘惑され中央で足を止める。最初に下流を足元から川下に目を向けると左右に繁茂する老杉は初冬を迎えようとする淋しい山相に暗緑色を囲いその上には薄雲が淡い陽光に照らされ山内から見る空域としては広々としており浩然として遠景を見つめていた。
posted by ぼたん at 06:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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